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令和5年度施政方針

 令和5年五所川原市議会第2回定例会の開会に当たり、市政運営に関する基本方針について、所信の一端を申し述べます。

 

 令和5年度は、私が市長として2期目最初の当初予算執行となる年です。

しかし、今回の予算編成は、私が市長に就任以来、最も厳しいものとなりました。

その要因としては、エネルギー費用を始めとする物価高騰による経常経費の増、人件費、扶助費等の義務的経費の高止まりなど様々あります。

 中でも過去に公共施設整備のために借入した地方債の返済である公債費は、令和5年度から令和7年度にかけて償還のピークを迎えます。

 

 このように多くの要因が重なり、非常に厳しい財政状況にありますが、決して市民サービスの低下を招いてはならないという認識で、今までの役所の常識を根本的に見直しながら予算を編成しました。

 

 言うまでもなく、市の歳入の大宗は、国民の税金を原資とした交付税と市民の皆さまからの税金であるため、職員全員にコスト意識を徹底させるとともに、コロナ禍を前提とした予算配分をやめ、すべての事務事業について前例や慣例にとらわれず、市民生活にとって真に必要な事業の選択と再構築に注力しました。

 

 誰も経験したことがない速度の人口減少社会において、今後の市政運営は、長期的視点に立って、いかに将来を見通して先手を打てるかに尽きると考えています。

 

 市民の皆さまの生活を守るため、必要なものは、しっかりと重点化して投資を行う一方で、持続可能なまちづくりのため、将来の人口規模に見合った形になるようにしっかりと事業を見直し、市の行政のあり方を変えていく必要があります。

 

 将来を見据えて、真に必要なサービスにターゲットを絞った上で、メリハリのある行政運営を行い、その歩みを市民のみなさまにしっかりと情報を公開し、批判は真摯に受けとめ、対話し、官民の垣根を越え、より良い市の将来という同じ理想に向かって歩んでいく市政を目指します。

 

 その最初となる新年度予算は、雪に強いまちづくりに資する消融雪設備の整備や子ども医療費無償化の高校生までの拡充をしたほか、地域公共交通の再編など市民生活に密着した事業を優先的に考慮しました。

 

 その結果、令和5年度一般会計予算の総額は、304億7,700万円となり、令和4年度当初予算比で6億8,100万円、2.2%の減となりました。

その内容については、

「市民に寄り添った福祉の充実」、

「活動人口の増加による経済活動の活性化」、

「市民の将来に向けたまちづくりの基盤整備」

の3つの施策についてご説明します。

 

 はじめに、「市民に寄り添った福祉の充実」についてです。

 

 急激に進む人口減少や超高齢化に伴い、人口減少対策、高齢者世帯の増加や老老介護、社会的孤立などの高齢者を取り巻く課題、子どものいじめや不登校問題、さらにはヤングケアラーの問題など、行政が取り組むべき 課題が山積している中、私は「行政の根底にあるべきことは、心の通った思いやりのある行政サービスである」と考え、「だれ一人取り残さない」を根本姿勢として市民に寄り添ったきめ細かな市政運営に取り組んでいます。

 特に、子育て支援の面においては、給食費無償化、小中学生までの医療費無償化の実現など子育て世帯への経済的支援をこれまで積極的に展開してまいりました。

 しかしながら、長引くコロナ禍やエネルギー費用を始めとする生活関連物資の価格高騰などの社会情勢の変化により、子育て世帯を取り巻く負担は増大しています。

 

 そこで、令和5年8月から子ども医療費の給付対象を高校生の通院・入院まで拡大し、子育て世帯の経済的負担の軽減を図っていきます。

 さらに、令和5年度より、児童福祉と母子保健などの面で、一体的に支援する「こども家庭センター」を子育て支援課の課内室として設置し、全ての妊産婦・子育て世帯・子どもの包括的支援を行うとともに、教育委員会と連携しながら、子どものいじめや不登校問題など子どもや子育て世帯を取り巻く多くの課題に総合的に対応できる体制づくりに努めます。

 

 また、未来を担う子どもたちを「地域全体で育てる」という同じ目標に向かって、地域で活動する団体が横の連携を深めながら、主体的に活動することで、持続可能な地域社会が構築されるものと考えます。

 その実現に向け、昨年9月に盛況だった「キッズフェスタ in 五所川原」を来年度も継続して支援します。

 経済負担の軽減と地域全体での子育ての両輪を機能させることで、子育てに強いまちを目指します。

 

 一方、高齢者支援においては、急速に進む超高齢化社会を見据えた医療介護連携や元気な高齢者の活動・活躍の場づくりを進めるなど、高齢者が住み慣れた地域で健康で安心して住み続けられるように「地域包括ケアシステム」をより一層推進させることで、「健康長寿社会」の実現に取り組んでいきます。

 その方策として、特に、介護予防の強化や元気な高齢者の社会参加を支援するため、介護施設等のサポートや高齢者の日常の困りごとを解決するボランティア活動に対し、ポイントを付与する「ボランティアポイント制度」を実施します。

 介護人材が不足する中、元気な高齢者が、同じ高齢者目線で支援することで互助機能が図られ、地域共生社会の実現に資すると考えています。

 高齢者の生活支援の面においては、お住まいの事情や交通の足がないなどの理由から、買い物に不便を感じている高齢者への支援策として、令和4年度から実施している見守り移動販売を行う事業者に対する支援を、令和5年度も引き続き継続していくとともに、更なる事業拡充を図るため、より多くの事業者の方々にご協力いただけるよう努めていきます。

 

 また、令和5年度は、五所川原市健康増進施設「にこにこ温泉しうら」の開業を控えており、市浦小学校の児童の皆さんに募集した愛称に込められた「訪れた皆さまに、にこにこ笑顔で帰ってもらえるように」という願いを実現できるよう施設を有効に活用し、地域住民に愛される健康づくり拠点として整備します。

 施設の利便性を向上させるため、利用者向けの移動手段の確保としてコミュニティバスの運行を予定しており、多くの人が活用できるよう取組を進めていきます。

 さらに、今年2月2日にリニューアルオープンした「生き活きセンター」のほか、「川倉の湯っこ」「にこにこ温泉しうら」の3館においては、75歳以上の市民の利用料を無料、60歳以上75歳未満の市民の利用料を1週間に1回無料とすることに加え、3館共通のお得な回数券を販売することで、高齢者の閉じこもりのリスクを低減し、いきがいを感じ、生き生きと過ごせるよう皆さまの生活に寄り添った支援を行います。

 

 続いて、「活動人口の増加による経済活動の活性化」についてです。

 

 私は、ここに住む人たちが生き生きと活動し、横のつながりを深め、目的を共有して様々な活動に取り組むことが重要であると考えます。

 特に昨年、盛況となった各種物産イベントは、民間の法人や団体が実行委員会として一つにまとまり、みんなが主体となって成功を収めた賜物であります。

 こうした取組をきっかけに、民間が主体となって地域を元気づける活動をより一層活発化させ、子どもから高齢者まで多くの市民が活躍する「活動人口」を増やし、地域全体の活力を底上げして、持続可能な市民協働社会を構築していきたいと思います。

 

 その実現に向け、大町大通りを歩行者天国にし、「立佞武多の館」周辺を主会場とした「ホコ天マルシェ」、金木地域の特産品の代表格となる馬肉などの自慢の逸品を販売した「うまいもんフェスタinかなぎ」、道の駅「十三湖高原」を会場として市浦牛などの特産品をPRする絶好の機会となった「しうらグルメカーニバル」などのイベントについて、来年度もサポートします。

 昨年4月に金木地区にオープンした金木観光物産館「産直メロス」は、まもなく1周年を迎えます。

 今後も、地域住民の生業の創出と交流の場としての機能を継続しながら、指定管理者である株式会社かなぎ振興舎と出荷者友の会が、より連携を深め、行政としてもサポートし、地元の方々と一緒に育てていきたいと考えています。

 また、地元物産の販売体制の強化に向け、意欲のある生産者や販売者の販路拡大、商品開発を伴走してサポートする販売促進事業を展開し、民間主体の地域活性化を目指します。

 

 販路拡大においては、「ふるさと納税」が、毎年着実に実績を伸ばしており、令和5年2月15日現在で、寄附件数約5万件、寄附金額は、約9億2,500万円を超えており、これも偏に、市を応援してくれる多くの皆さまと地域産業を支える生産者の方々の創意工夫による商品開発のおかげであると感じています。

 新年度は、生産者と連携を深めながら、生産者のこだわりを商品とあわせてPRを行い、特産品の魅力を発信します。

 

 観光面においては、当市最大の夏まつり「五所川原立佞武多」が、来年度、25回目の節目を迎えますが、コロナ禍からの再出発と地域の賑わいを取り戻す象徴として位置づけ、感染症や自然災害等による厄災がこれ以上降りかからないよう願いを込めた新作の大型立佞武多「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」を制作し、地域の活性化と観光需要の回復を図ります。

 

 農業振興については、農業経営の安定・拡大に向けた経営基盤の強化や新規就農者を含めた人材の確保が喫緊の課題となっていることから、施設園芸への参入や農業技術の継承を支援していくほか、規模拡大や農作業の効率化に資するスマート農業を積極的に推進していきます。

 また、長年の課題である稲わら焼き防止についても、市民の健康と生活環境を守っていくことを第一義に、引き続き、収集した稲わらの販路拡大や民間企業等と連携した新たな利活用方法の検討を進めていきます。

 さらに、昨年8月の大雨被害の教訓を活かし、農業者自身の経営努力では避けられない自然災害や予期せぬ収入減少へのリスクに対応できる農業経営収入保険への加入を加速度的に進めるなど、経営支援と災害等へのリスクマネジメントという両輪の推進により、持続・発展的な生産活動の構築を軸とした農業振興を展開していきます。

 

 最後に、「市民の将来に向けたまちづくりの基盤整備」についてです。

 

 令和4年8月3日からの大雨による災害では、幸い人命に関わる被害はなかったものの、浸水や冠水による被害が発生したことで、日頃からの備えと地域における助け合いの必要性について再認識をしたところです。

 

 この度の災害を経験し、行政や消防による「公助」では、最善を尽くしてもどうしても限界があり、そこには、自らの命は自らが守るという「自助」、そして地域や町内会などで協力して取り組む「共助」が不可欠であると痛感しました。

 市ではこれまで、河川の改修など、県等の関係機関と連携して市内で水害のリスクが高い地域の被害を最小限に抑えるための基盤整備を強化してきました。

 加えて、昨年、特に被害が大きかった姥萢地区については、緊急に対策を協議するために設立された「『五所川原市姥萢地区』冠水問題対策協議会」において、先の災害対応における問題点を分析し、正確性とスピード感を最重視した関係機関相互の緊急連絡体制の構築を核とした改善策などを共有し、新年度からの本格運用に向け、現在、抜本的な体制の見直しを行っているところです。

 令和5年度は、これらの取組に加えて、公助体制の更なる強化として、浸水箇所の応急復旧を行うための排水ポンプの整備や、正確かつ迅速な判断により市民の早期避難を促すため、より精度の高い気象情報の取得体制の整備などを行うとともに、日本海溝沖地震(にほんかいこうおきじしん)による津波被害を想定した防災無線の更新や脇元避難所の整備を行うことで、一人ひとりが正しい情報を取得し、自らの命と安全を守る行動をとる自助が機能するような体制を構築していきます。

 

 

 また、危機管理のみならず、市民の皆さまの普段の生活の足を守るため、公共交通の再編にも引き続き取り組んでいきます。

 持続可能な交通網再編のため、路線バス、スクールバスという既存の交通手段を活かした再編を基本方針とし、藻川線とスクールバスの統合、水野尾線の再編のほか、予約型乗合タクシー等による交通空白エリアの解消を行い、市民の利便性の向上を図る形で4月1日から運行を開始します。

 

 さらに、市民すべての共通の悩みである除雪については、消融雪設備の整備に着手していきます。

 新年度予算では、導入に効果的なエリアの選定に向けた調査等を行い、将来的な雪に強いまちづくりを着実に進めていく予定としています。

 

 また、菊ヶ丘運動公園が、今春からリニューアルされ、障害のある方も含めて、誰もが遊びやすいように設計された遊具エリアがオープンします。

 子ども達や家族連れが、より集いやすくなり、地域のコミュニティ形成の場として機能していくとともに、高齢者が体を動かしながら子ども達を見守ることができる健康遊具やベンチを併設し、誰もが楽しんで利用できることをコンセプトとしています。

 加えて、市内の主な都市公園の防犯カメラの設置や駐車場の整備など公園の安全性と利便性向上を検討していきます。

 

 以上、令和5年度のスタートを迎えるに当たっての所信の一端と主要施策について申し述べました。

 

 今回の予算編成により基金残高の落込みは避けられず、今後、災害等を考慮すれば薄氷を踏むような財政運営を強いられる状況ですが、人口減少や社会情勢の変化など多くの課題が山積する中、私は、将来にツケを残すような行政運営は決して許されないという決意のもと、今こそ行政そのものが変わっていかなければならないと思っています。

 人口減少社会の中で、官は官、民は民という縦割り概念を打破し、市民と行政が主体性を持ってそれぞれの強みを活かしながら、「共に考え、共に行動する」協働社会を目指すことが不可欠と考えます。

 

 今後も厳しい財政状況は続きますが、「選択と集中」を徹底し、官民協働による市政運営に、より一層邁進していきたいと思いますので、市民の皆さま、そして議員各位におかれましては、引き続きご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げ、令和5年度の施政方針といたします。

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