令和4年2月放送分

2月23日(水曜日)放送内容

今日は、休館と本の紹介についてです。

まず最初に臨時休館についてです。青森県内において、新型コロナウイルス感染症患者の増加が続いていることから、新型コロナウイルス対策本部の決定により臨時休館を延長することとなりました。利用者の皆さまにはたいへんご迷惑をおかけしますが、ご理解・ご協力をお願いいたします。

○期間:令和4年2月28日(月曜日)まで

○対象図書館:五所川原市立図書館、金木分館、市浦分館

資料の返却は休館明け、または返却ポストへお願いします。他館から取りよせた資料は期限までに返却ポストへお願いします。今後の新型コロナウイルス感染状況により対応の変更等があった場合は、改めてご案内いたします。

2月23日は天皇誕生日ですが、「年中行事・記念日事典」(学研2004年12月発行)を見てみると、「ふろしきの日」であることもわかりました。ふろしきを広くPRするため、平成12年に京都ふろしき会・京都ふろしき振興会・東京ふろしき振興会で組織する日本風呂敷連合会で、2月23日を「ふろしきの日」として定めたそうです。2月23日は(つつみ)のゴロ合わせです。

ここで、国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、調べ物のためのデータベース「レファレンス協同データベース」に風呂敷に関する面白いレファレンスが掲載されていたので、ご紹介します。質問は、風呂敷は「包む」ものなのに、どうして名前に「敷」がつくのかというものでした。日本列島に多様な姿で息づく民俗文化が調べられる辞典『日本民俗大辞典』(吉川弘文館 2000年4月発行)で「風呂敷」を引いてみると、「風呂敷の語は、徳川家康の遺品目録『駿府御分物御道具帳(すんぷおわけものおどうぐちょう)』にみられ、江戸時代初めには用いられていた。この語は入浴の普及とともに広まったと見られ、風呂場に敷いて足をぬぐう布の意からとも、風呂場に敷いて衣服を脱着したり、脱いだ衣服を包んだりしたためともいう。」と記載されていました。

また、「ふろしき」は「包み」と言い換えられるので、「包み」で資料検索をしてみると、『包み(ものと人間の文化史)』(額田 巌 ぬかだ いわお/著 法政大学出版局 1977年4月発行)という本が見つかりました。この本を見てみると、「風呂敷の由来」という項目がありました。そこには、「ふろしきの役目をするものが使われ始めた記録は、奈良時代に見られる。正倉院の包みには舞楽装束を包んだものがある。平安時代には『古路毛都々美(ころもつつみ)』や『平包み(ひらつつみ)』の名が古文書にみられ、これらは正方形の布をさしていた。」と記載されていました。また、珍しい話として、「昔は高貴な方が風呂に入る時には、身体がじかに風呂の底の木部にふれることはおそれ多いので、これを避けるために四角な布を底に敷いて入浴された。そのためこの四角い布のことを風呂敷とよぶようになった」と紹介がありました。風呂敷の由来をたどってみると、「衣包み」→「平包み」→「風呂敷」と発展していったことがわかりました。

日本風呂敷文化協会のホームページ「風呂敷の時間」には、動画で風呂敷の結び方などが紹介されています。このほかにも、風呂敷リュック、風呂敷を活用した防災ずきんのやり方、赤ちゃんの抱っこ紐なども紹介されていますので、お家に風呂敷がある方は、ぜひやってみてください!

 

2月16日(水曜日)放送内容

今日は、デジタルアーカイブとカッチョについてです。

Web利用促進キャンペーン第2弾

当館では、郷土資料のデジタル化に取り組んでいます。貴重な郷土資料の多くは、劣化や損傷状況が著しく、これ以上の劣化損傷を防止するために、デジタル化を行っています。さらには、デジタル化した資料をインターネットで公開することによって、図書館に来館せずに、いつでも・どこでも・誰でも・自由に閲覧することができるという大きなメリットもあります。このように、資料をデジタル情報として記録し、劣化なく永久保存するとともに、インターネットで提供することを「デジタルアーカイブ」といいます。郷土資料のデジタル化は、資料を保存して終わりではなく、公開し、地域文化の継承と発展につなげていくことが大切なのです。

現在当館ホームページ「五所川原市立図書館デジタルアーカイブ」で公開中の資料には、「五所川原町報(創刊号~30号)」「広報ごしょがわら(昭和29年~平成19年)」があります。「五所川原市市浦地区航空写真」「五所川原市市浦地区分限図」もホームページで紹介していますが、ホ―ムページ上での公開はしておらず、館内での閲覧が可能となっています。今回休館中に、新たに公開されたデジタル資料を紹介します。

「ふるさとのかたりべ」

「ふるさとのかたりべ」は、昭和56年に金木町嘉瀬の郷土資料として嘉瀬のふるさとを探る会によって発行されました。嘉瀬のふるさとを探る会の会員は、史跡や古文書を探求する専門家でも、学者でもない、嘉瀬の部落に住み、郷土を愛する者が集まってできました。内容は、嘉瀬の歴史はもちろん、嘉瀬の桃、昔話、嘉瀬言葉、俳句・短歌・川柳などの文芸まで、嘉瀬のあれこれがもりだくさんに掲載されています。ふるさとのかたりべは、全部で17集発行されています。14集からはタイトルを「金木のかたりべ」と変更されています。高画質でご覧になりたい方は、「貸出用DVD」がございますので、開館後にぜひそちらをご利用ください。このほかにどのようなデジタル化資料があるのかは、デジタル化資料一覧をご確認ください。臨時休館中ではありますが、デジタルアーカイブを見て、楽しんでみてはいかがでしょうか。

さて、皆さんは、「カッチョ」をご存知でしょうか。カッチョとは、浜の漁家が強い潮風よけに、家の周囲に立てた囲いの板の柵のことをいいます。主に十三地区に見られる囲いのことを称しているそうです。そのため、カッチョというと寒々とした漁村の風物詩のようにいわれていますが、最近は少なくなってきたそうです。数年前に、県外の方から「カッチョ」についてのレファレンスを受けたこともありました。ちなみに横浜町では、「カギ」と言っているそうです。

当館所蔵資料で、カッチョが掲載されている資料を紹介します。

・『奥津軽の道』(太田 文雄:おおた ふみお/著 奥津軽会 1988年)

・『ふるさとのあゆみ 北津軽』(津軽書房 1981年)

・『目で見る五所川原・津軽の100年』(郷土出版社 2000年)

・『遠い海鳴り』(飯田 祐弘:イイダ スケヒロ/著 遊人工房 2017年)

・『大神田正写真集「津軽・冬の海」』(大神田 正 1994年)

・『青森1950-1962』(工藤 正市:くどう しょういち/撮影 みすず書房 2021年)

また、磯松地区にあるカッチョの写真を印刷したものを資料として保存をしているので、ご覧になりたい方はぜひ休館明けにお声がけください。

 

2月9日(水曜日)放送内容

今日は、Web予約についてです。

新型コロナウイルス感染拡大が未だ治まらないことから、当館でも臨時休館が続いております。市民の皆様からも、お問い合わせの電話をたくさんいただいており、休館中ではありますが、何かできることはないか職員間で話し合っていました。そこで、考えたのが「Web利用推進キャンペーン」です。新しい本を借りられず、残念に思っている方もいらっしゃると思います。そこで、少しでも本を選ぶ楽しさを届けられたらと思い、第1段として、2月21日(月曜日)までの臨時休館中、図書資料のWeb予約冊数を通常は5冊のところを、なんと、10冊まで増やすことにしました。図書館再開後、どんな本を借りようか、検索し、予約してみてください。貸出ができるようになりましたらご連絡いたします。雑誌や視聴覚資料の予約数は今までと同じとなっています。利用いただけず、ご不便をおかけしますが、休館明けに少しでも多くの資料を利用者の皆様に届けられたらと思っております。「Web利用推進キャンペーン」は、第2段も準備中です。どうぞお楽しみに!

2人の偉人がお亡くなりになりました。

まずは、子ぐまが主人公のイギリスの児童文学「くまのパディントン」シリーズや「ミッフィー」の名前で知られる「うさこちゃん」シリーズなどの多くの海外児童文学の翻訳を手がけた児童文学者の松岡享子(まつおかきょうこ)さんです。松岡さんは1月25日に86歳で亡くなりました。松岡享子さんは神戸市出身で、大学を卒業後、アメリカに渡り現地の大学院で学んだあと、帰国して大阪市の図書館で勤務しました。

1967年に東京 中野区の自宅で、地域の子どもたちに向けた語りや読み聞かせなどの活動を始め、1974年には「東京子ども図書館」を設立して児童書の普及や人材育成などに尽力されました。

「絵本のノーベル賞」と言われる「国際アンデルセン賞」の選考委員を務めるなど国際的な文化交流にも貢献し、去年、文化功労者に選ばれました。

もう一人は、作家で元東京都知事の石原慎太郎さんです。石原さんは、2月1日に89歳でお亡くなりになりました。精力的な執筆活動も続けた石原さんは、弟の裕次郎さんをテーマにした「弟」や、政界引退後の2016年刊行の田中角栄元首相を描いた「天才」などがベストセラーになりました。1995年から2012年1月までは芥川賞選考委員も務めていました。

松岡享子さんと石原慎太郎さんの著作をご紹介します。

「いまはむかし さかえるかえるのものがたり」 まつおか きょうこ/さく 馬場 のぼる/え こぐま社 1987年2月発行

当館の蔵書では珍しい訳者ではない松岡さんと青森県三戸町出身で、「11ぴきのねこ」シリーズでお馴染みの馬場のぼるさんによる絵本です。「いばりかえる とのさまがえる」といった「かえる」の言葉遊びがリズミカルで楽しい、声に出して読みたくなる1冊です。

「太陽の季節」 石原 慎太郎/著 新潮社 1956年発行

デビュー作で、第34回芥川賞を受賞し、映画化もされた表題作を含む短編小説集です。同じく映画化された「処刑の部屋」なども収録されています。

松岡享子さん、石原慎太郎さんの著作はほかにもありますので、図書館ホームページから検索し、読みたい本は「予約」をしてみてください。

 

2月2日(水曜日)放送内容

今日は、休館と本の紹介についてです。

まず最初に臨時休館についてです。青森県内において、新型コロナウイルス感染症患者の増加が続いていることから、新型コロナウイルス対策本部の決定により臨時休館を延長することとなりました。利用者の皆さまにはたいへんご迷惑をおかけしますが、ご理解・ご協力をお願いいたします。

○期間:令和4年2月21日(月曜日)まで

○対象図書館:五所川原市立図書館、金木分館、市浦分館

資料の返却は休館明け、または返却ポストへお願いします。他館から取りよせた資料は期限までに返却ポストへお願いします。今後の新型コロナウイルス感染状況により対応の変更等があった場合は、改めてご案内いたします。

2月3日は「節分」

四季のはじまりとされる、「立春・立夏・立秋・立冬」の前日が節分です。現在は1年のはじまりに近い、立春の前日が広く「節分」として通っています。節分に行う豆まきで、「鬼は外」、「福は内」の掛け声をかけていますが、地域や家庭の風習によって違いがあるそうです。全国に鬼を祀った神社がいくつかありますが、埼玉県の鬼鎮(きじん)神社では、「福は内、鬼も内、悪魔外」という変わった掛け声をするそうですよ。では、ここでおはなしに鬼が出てくる本やタイトルに鬼が入っている本を紹介します。

「なまはげ」 池田 まき子/文 汐文社 2020年12月発行

ある大きな国の王様につれられて、男鹿半島にやってきた5匹の鬼たち。人々のために懸命に働きますが、誤解され、村人たちとある賭けをすることになり…。秋田県の季節行事・なまはげの由来となった昔話です。

「遺跡発掘師は笑わない 11巻 鬼ケ島の証明」 桑原 水菜(くわばら みずな)/著 KADOKAWA 2020年4月発行

桃太郎は誰なのか。天才発掘師・西原無量は、戸川海運会長の孫・理人の依頼で香川県丸亀市本島へ向かいます。遺跡発掘現場には犬飼、鳥海、猿渡という3人の発掘者も呼ばれていて…。岡山・瀬戸内を舞台にしたシリーズ第11弾です。

「隔月刊 あおもり草子 通巻123号 特集 鳥居の鬼っこ」 企画集団ぷりずむ 2000年2月発行

津軽の神社の鳥居に座っていらっしゃる「鬼コ」をみなさんはご覧になったことがありますか。この「鳥居の鬼コ」は全国でも珍しいものだそうです。本書では県内の「鳥居の鬼コ」がいる38の神社を紹介するほか、青森県の鬼伝説や人々の暮らしと鬼、鬼信仰について写真を交えながら紹介しています。

「それからのおにがしま」 川崎 洋(かわさき ひろし)/作 岩崎書店 2004年2月発行

鬼退治のあとの鬼が島。やがて鬼たちと人間たちの交流が始まります。子どもどうしが遊び、橋がかけられ、鬼の娘と人間の若者の結婚式も!平和な国際交流を楽しく描く絵本です。