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令和6年度施政方針

 令和6年五所川原市議会第3回定例会の開会に当たり、市政運営に関する基本方針について、所信の一端を申し述べます。

 

 令和6年度は、私が市長に就任して2期目の折り返しとなる年であります。私はこれまで、「市政刷新」を掲げ、前例、慣例にとらわれない市民目線の市政運営に全力で取り組んできました。

 今後とも、子どもから高齢者まで「誰一人取り残さない」市政運営に努め、「ここに住んで良かった、住み続けたい」と思えるようなまちづくりを目指してまいる所存であります。

 

 しかし、急速な人口減少や少子高齢化、長期化したコロナ禍による経済の低迷など、当市の置かれた状況は厳しさを増しております。特に、財政の硬直化は喫緊の課題であり、今後、数年間が財政運営の正念場とも言える状況となっております。

 その大きな要因として、3つ挙げられます。

 

 1つ目は、公債費の高止まりです。本庁舎整備事業、つがる西北五広域連合病院建設事業負担金など、過去の大規模公共事業での借入れによる公債費のピークを迎えており、令和7年度まで高止まりが続くことが見込まれます。

 2つ目は、社会保障経費の増加です。生活保護費や障害福祉サービス費などの扶助費の高止まりに加え、少子化や高齢化の進展に対応するため、今後も経費が増加していく見込みとなっております。

 

 3つ目は、経常経費の増加です。昨今の物価高騰により光熱水費や燃料費をはじめ、消耗品や備品、さらには委託料、工事請負費などあらゆる経費が上昇しております。さらに、老朽化した公共施設を多数抱える当市においては、その維持管理経費に多額の財政負担が生じています。

 

 このような厳しい財政状況の中においても、市民の皆様の生活の安全とサービスの水準を守るため、必要なものには、しっかりと重点化して投資する 一方で、将来の人口減少を見据えながら持続可能なまちづくりに向け、市のあり方を見直す必要があると思っています。

 

 しかしながら、こうした状況を悲観的に捉えるのではなく、今が当市の転換期と捉え、置かれている状況が厳しい時こそ、市民、行政が知恵を出し合い、地域が一丸となって乗り切ることで、より良い五所川原に生まれ変わるためのチャンスに変えていかなければならないと考えております。

 

 また、加速度的に進む人口減少、少子高齢化の中、西北五圏域の中心市である当市が果たすべき役割はますます大きくなってくるものと考えます。今後は、広域的な視点で課題を共有し、地域住民の生活を守っていくため、自治体の枠に捉われず、広域連携による効率的な行政運営が重要となってまいります。

 

 令和6年度は、市の政策全般を方向づける総合計画策定を予定しており、基本構想からの見直しは、私が市長に就任して以来、初となります。

 私は、総合計画とは、市民、地域、民間団体、企業、そして、行政といったさまざまな主体が、同じ目的に向かって対等の立場で連携していくための市民の皆様との共通の指針となるものだと考えています。

 

 市民が主役となり、一人ひとりの力、一歩一歩の積み重ねを総合計画という市民全員の共通目標に向かって、一丸となって挑戦することで、「市民協働社会」の実現を目指してまいります。

 また、昨今のめまぐるしく変わる社会情勢に対応する観点から、10年間であった基本構想期間を5年間に短縮し、今後5年間がいかに重要な時期であるかを市民と共有し、人口減少社会の中で、全ての世代が活躍し、地域の総力で持続可能な地域を創っていくことを目指してまいります。

 

 総合計画という将来の構想を見据えながらも、今ある課題に着実に取り組んでいく必要があります。

 そこで、令和6年度の重点施策について、次期総合計画の基本目標として検討を進めている

「市民に寄り添った福祉の充実」、

「地域の特色を活かした経済活動の活性化」、

「市民にとって安全・安心なまちづくり」

の3つの観点から施策方針をお示ししてまいります。

 

 1つ目の「市民に寄り添った福祉の充実について」であります。

 

 急速に進む人口減少や高齢化に伴い、行政が取り組むべき課題が山積する中、私は、「誰一人取り残さない」を根本姿勢として、市民に寄り添ったきめ細かな市政運営に取り組んでいるところです。

 

 今後、社会の担い手となる生産年齢人口が確実に減っていく中、健全な地域社会を維持していくためには、元気な高齢者を増やし、積極的に社会参加してもらわなければならないと思っています。

 今後、地域内で比率が最も大きくなる高齢者が 社会的な役割を持ち、自分らしく、生き生きと活躍する社会を構築することが、地域社会の活力に繋がるものと確信しています。市では「アクティブシニアポイント事業」を継続して実施していくなど、 高齢者の社会参加の受け皿づくりを進めるとともに、新たな活躍の場や機会を積極的に作っていきたいと考えています。

 また、近年、高齢者の「孤立」や「孤独」が社会問題になっており、当市においても、高齢者の独居世帯が多くなっており、地域の重要課題として認識しております。「孤立」や「孤独」はさまざまな問題につながるリスクがあり、行政としても「潜在化の防止」に努めるとともに、郵便局や生協、民生委員といった多様な主体と連携した見守り体制の強化、孤立化を防ぐための地域における「つながる仕組み」や「居場所づくり」等の方策を講じてまいります。

 超高齢化社会に対応するため、医療介護連携を進め、高齢者が住み慣れた地域で健康で安心して住み続けられるように「地域包括ケアシステム」をより一層推進させることが、ますます重要となってまいります。そのため、高齢者の健康寿命延伸に向けて認知症予防、介護予防の強化を進め、誰もが地域で安心して住み続けられる「健康長寿社会」の実現を目指してまいります。

 

 子育て支援の面においては、社会の宝である子どもたちを「地域全体で育てる」という思いのもと、給食費無償化、高校生までの医療費無償化の実現など子どもが安心して健やかに成長できる体制を構築してきました。

 

 今後の地域においては、親への経済的支援だけではなく、核家族化や共働きなどが増加する中で、 子どもたちの健全な人間性とふるさとを愛する心を育むため、いかに子どもの価値観や基礎的な人格形成の時期に「地域」が関わっていくかが重要であり、将来に向けて持続可能な地域社会を支える大きな要素になります。

 地域の未来を担う子どもたちのアイデンティティの形成時期に、「地域」の中でしか味わえない経験や思い出が、「ここに住み続けたい」という愛着へとつながります。夏まつりでの「親子de立佞武多」や「キッズフェスタ」など子どもたちが主役となるイベントは、子どもたちの純粋な「心」に訴える取組であり、まさに「地域全体で子どもを育てる」ことに通ずるものであるため、引き続き、このような市民協働による子育て環境の整備に取り組んでまいります。

 

 2つ目は、「地域の特色を活かした経済活動の活性化について」であります。

 

 当地域は、基幹産業である一次産業を軸とし、 そこで育まれた農水産物と特産品の販売促進、商都として発展してきた歴史を生かした商業基盤の 強化、立佞武多をはじめとする地域に根差した伝統文化の継承、交通網の利便性を生かした企業誘致の促進など、多様な産業基盤を生かした「地域社会の再生」を図ることが必要です。

 「地域社会の再生」と「新たなまちづくり」のために、その原動力となる市民の皆様のエネルギーを引き出すきっかけを作り出すため、民間活力が主体となった各種取組への支援を講じてまいります。

 

 まず、物産販売の面では、「ホコ天マルシェごしょがわら」、「うまいもんフェスタinかなぎ」及び「しうらグルメカーニバル」への支援を継続し、地域内の経済活動の活性化と市産品等の魅力PRを図ります。その目的としては、「賑わいの創出」も勿論ですが、一つのイベントを通して、地域の住民、関係団体が一つになることに大きな価値があると感じております。

 こういった地域の明るい兆しを広げるため、これからもイベントをきっかけに、各地域における「活動人口」の増加を図ってまいります。

 

 また、当市の県外への発信力の要であるふるさと納税を中心として、戦略的に販路を拡大し、生産者の所得向上と魅力的な生業づくりを推進します。

 

 観光面では、今年の新作立佞武多のテーマを「閻魔」としており、善悪を裁く厳しさの中にも、世代を超えて親しまれてきた「閻魔大王」をモチーフとし、社会全体が大きな岐路に立たされている今こそ「これからの未来を担う子どもたちへ道を示したい」という切なる思いを込め、7月の完成を目指し、作業を進めております。昨年、初めて実施した「ごしょがわら めじゃ~ストリート」、「親子de立佞武多」など民間が主体となった取組によって、 市民も観光客も一緒に盛り上がる祭りを目指すとともに、関係機関と連携を図りながら「五所川原立佞武多」を次代にしっかりと引き継がれていく地域の伝統文化、誇りとして、さらに発展させていきたいと考えています。

 

 老朽化により大規模な改修が必要となっている立佞武多の館については、既存の施設機能の精査・見直しを行い、施設の改修と新たなニーズに対応した機能を加えることにより、さらなる賑わいの創出を目的としたリニューアルを実施いたします。

 具体的には、老朽化した施設・設備を全面的に修繕及び更新するほか、立佞武多を製作・展示する唯一の施設としてさらなる魅力の向上を図るとともに、観光客だけでなく、世代を超えて市民が交流できる「コミュニティを体感できる交流拠点」として新たな利活用を促進してまいります。

 令和6年度は、2年後の令和8年度のリニューアルオープンを目指して、実施設計を完了する予定としております。

 

 また、近年、宿泊客の増加に伴い、市内で経済的な動きが出ており、中心街の賑わいを創出し、新たな発展を遂げるチャンスであると考えています。 そこで、市の玄関であり、顔でもある駅前を新たな発想で再構築し、宿泊と飲食を中心としたコンセプトで街を形成していきたいと考えています。昨年7月、五所川原商工会議所が主体となり、「駅前賑わい創出特別委員会」が創設され、駅前の賑わい創出に向けて協議が進められていますが、駅前の再生には、立佞武多の館も大きな役割を持つと考えており、官民一体となった新たな街づくりを進め、地域の活性化に向けて取り組んでまいります。

 

 農家の経営支援面では、スマート農業に取り組む農家を支援し、農作業の省力化や技術補完による労働力を確保するとともに、高収益作物への取組や新規就農者への営農活動を合わせて支援し、基幹産業である農業の経営安定・拡大化に向けた経営基盤強化を図ってまいります。

 

 また、昨年は猛暑日が続き、一昨年は大雨被害が発生するなど、近年は気候変動が著しく、農業者自身の経営努力では避けられない自然災害や予期せぬ収入減少へのリスクが増しております。そのため、農業経営収入保険への加入を進める取組を推進することで、災害等へのリスクマネジメントを強化し、持続・発展的な生産活動の構築を軸とした農業振興を展開していきます。

 

 最後に、「市民にとって安全・安心なまちづくり」についてであります。

 

 地域社会において重要な課題の一つである防災についてです。災害は、私たちの日常を一変させ、生命や財産に大きな被害をもたらします。今年元日に発生した能登半島地震は記憶に新しく、頻発する災害の中で、高齢化の進展により、地域による災害の備えがますます重要となっております。

 

 災害において、人命を守るためには、行政や消防による「公助」、地域や町内会などで協力して取り組む「共助」、自らの命は自らが守るという「自助」、

の3つの連携が重要です。

 

 地域の防災体制強化の「公助」の面として、避難所機能を持つ脇元コミュニティセンターを4月から供用開始し、津波被害を想定した公助体制の強化を図ってまいります。

 

 また、「共助」としては、地域のコミュニティの希薄化が社会問題となる中、地域単位の体制強化が必要となります。地域にある町内会等の既存の組織と連携し、「災害時には自分たちの地域は自分たちで守る」という意識を持っていただくため、「自主防災組織」の役割や設立するための手法等について周知、啓発してまいります。これらに加え、ボランティア活動や住民組織の活動といった地域で連携して取り組む「互助」も重要であります。

 一人ひとりが正しい情報を取得し、自らの命と 安全を守る行動をとれるよう災害に対する備えの大切さを啓発し、意識改善を図ることで「自助」の強化、また、「共助」、「互助」の必要性を認識できるよう働きかけていきます。

 

 持続可能なまちづくりにおいて、当市の取り組むべき重要課題として、公共施設の規模の適正化があります。課題の背景には、高度経済成長期に数多く建設された公共施設の老朽化に伴う更新時期の到来、市町村合併に伴う類似施設の重複・余剰、人口減少・少子高齢化による公共施設等の利用需要の変化といった要因があります。

 そこで、全庁的な取組体制を構築し、公共施設等の最適な量と質、配置を実現することが重要となります。持続可能な地域を構築するため、公共施設の規模適正化を行うことで、安全かつ効率的な行政サービスの提供に取り組んでまいります。

 

 また、市民の皆様の普段の生活の足を守るため、公共交通の再編にも引き続き取り組んでまいります。持続可能な交通網再編のため、路線バス、スクールバスという既存の交通手段を活かした再編を基本方針としており、令和6年度には、予約型乗合タクシーの運行範囲を毘沙門地区へ拡大することで、交通空白エリアの解消を引き続き実施します。

 持続可能性を確保するため、地域の公共交通の担い手不足への対応も喫緊の課題となっております。そこで、運転手不足や車両不足に対応した効率的な公共交通網の構築を図るため、AIを活用し、予約に対応して運行するAIデマンド交通を令和7年度導入に向け、準備を進めてまいります。

 

 DXの推進については、「住民票の写しの交付」等、手数料が発生する29の手続のオンライン化を10月1日から予定しております。

 スマートフォン等により自宅から手続の申請ができ、クレジットカード等のキャッシュレス決済により支払いまで完結し、郵送で証明書等の取得を可能とすることで、市民の利便性向上を図ります。

 

 

 以上、令和6年度のスタートを迎えるに当たっての所信の一端と主要施策について申し述べました。

 

 冒頭でも申し上げましたが、急速な人口減少や 厳しい財政状況の中で、私は、今後の数年間が最も重要な時期であると考えています。

 今の厳しさは与えられた試練であると捉え、これを契機に、未来に引き継ぐ新たな街づくりの基盤を 作るため、より多くの市民の声を聞きながら、行政経営に全力で取り組んでいきたいと思っています。

 

 人口減少や少子化対策は、まさに「国家百年の計」によって為し得るものであり、持続可能な地域社会を確立するために、10年先、20年先を見据えていかなければなりません。

 今後とも、市民と行政がそれぞれの強みを生かしながら、「市民協働」による市政運営により一層  邁進してまいりたいと思っておりますので、市民の皆様、そして、議員各位におかれましては、引き続き、ご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げ、令和6年度の施政方針といたします。

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